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InDesignCC2014での固定型EPUB書き出し機能 調査報告


InDesignCC2014から、透明テキストを保持したEPUBの書き出しが可能になりました。
そこで、この機能で書き出したEPUBファイルにどのような特徴があるのか、調査を行いました。
以下はその調査報告です。

【調査環境】
●作業PC
 iMac OSX 10.9.3
●EPUB書き出しツール
 InDesign CC 2014
●EPUB検証ツール
 OSX版 iBooks 1.0.1

【調査ファイル】
おにぎりレシピ101 – EVERYDAY ONIGIRI 101 Healthy, Easy Japanese Riceball Recipes(ポット出版)
山田 玲子 著, 水野 菜生 英訳
希望小売価格:1,300円 + 税 (この商品は非再販商品です)
ISBN978-4-7808-0204-7 C0077
A5判 / 126ページ /並製
[2014年04月刊行]
※リンクまたは書影をクリックすると、ポット出版の書籍ページへ飛びます。ブラウザ上で試し読みを読むことが可能です。
またiBookStoreから試読ファイルをダウンロードできます。

※内容は気づいた点を列挙したものです。
ご意見など有りましたら、お問い合わせフォームからご指摘ください。

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【2015/04/16(木)追記】
おにぎりレシピテキストフィックス型epubについて、追加で判明したことがありましたのでご報告します。

●InDesignCC2014から、おにぎりレシピ101の一部だけをepubとして書き出すと、エンベットされたフォントがすべて表示される場合と、一部のみ表示される場合、がある。

これに関して、いくつかのパターンで書き出しを行い検証してみました。
1.総扉含め全17ページ
2.総扉・中扉含め全23ページ
3.途中に扉を含めた全8ページ
4.扉を含めない全24ページ
5.扉を含めた全17ページ

以下、書き出したepubのエンベットの表示結果です。
1.全て表示される
2.全て表示されない
3.見出しは表示される
 本文は表示されない
4.見出しは表示される
 本文は表示されない
5.見出しは表示される
 本文は表示されない

上記の結果から、エンベットされたフォントが表示されない場合の規則性は、確認できませんでした。

InDesignCC2014の書き出しに問題があるのか、iBooksのシステムに問題があるのかは、表示確認をiBooksでおこなっているため、断定できませんでした。
iBooksの他に、テキストフィックス型のepubを表示でき、かつエンベットされたフォントの表示が可能であるRSを確認できず、現状iBooksでのみ確認が可能である状況です。

また何か分かりましたら、こちらでご報告します。

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【2014/07/11(金)追記】
背景が透過にならない画像について、原因が判明しましたのでご報告します。

●まず、元のInDesignファイルのリンクフォルダ内PSDファイルが、切り抜かれていない背景未透過の画像である、ということについて。
これはPSDファイル上で、クリッピングパスで切り抜きがされていました。
したがって、背景が透過にならない画像はInDesign上で切り抜いているため背景が透過にならない模様、というのは間違っていました。
(画像の周りに表示されている線がクリッピングパスです。)
PSDファイル上で、クリッピングパスで切り抜きがされている

●そして背景が透過にならない理由は、「長方形フレームツール」の設定にありました。
InDesignファイル上で画像を配置する際「長方形フレームツール」を用いて画像を配置しますが、このフレームを配置した際に背景色や線の設定がされていると、epub書き出しをした時に透過になっていない背景が書きだされてしまう、というものでした。(赤丸で囲ってある所が設定部分です)
フレームに背景色や線の設定がされている

●更に、InDesignファイル上ではなぜ余白が表示されなかったのか、という問題については、上層の画像の描画モードが「乗算」に設定されていたからでした。
乗算に設定されていると、上層の画像が透けて下層の画像が表示されるようになります。
InDesignCC2014での固定型EPUB書き出しでは、フレームの乗算設定は無効化されてしまうようです。(赤の下線部が描画モードの設定部分です)
描画モードが「乗算」に設定されていた

以上が画像の背景が透過にならない理由です。
また何か分かりましたら、こちらでご報告します。

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【InDesignCC2014での固定型EPUB書き出し機能調査結果】

●テキスト情報のコピー&ペースト可能
テキスト情報のコピー&ペースト可能

●書き出し時、JPEG設定がデフォルトで[プログレッシブ]になっている
書き出し時、JPEG設定がデフォルトで[プログレッシブ]になっている

●背景が透過になる画像と、透過にならない画像がある
○透過にならない画像が上層にあると、背景の白フチ部分で下層の画像が潰れてしまう(赤丸で囲んだ部分)
透過にならない画像が上にあると、背景の白フチ部分で下層の画像が潰れてしまう

・EPUBを解凍後、内部の画像(PNG)をPhotoshopで開くと、フチが表示される
・マスクの外(余白)はカットされている
EPUBを解凍後、内部の画像(PNG)をPhotoshopで開くと、フチが表示される・マスクの外(余白)はトリミングされている

・元のInDesignファイル内の画像には白フチなし。写真の形に切り抜かれた背景透過の画像
(画像は該当画像の下に背景とは違う色の画像を入れて、透過になっているか確認したもの)
元のInDesignファイル内の画像には白フチなし。写真の形に切り抜かれた背景透過の画像

・元のInDesignファイルのリンクフォルダ内のPSDファイルは切り抜かれていない背景未透過の画像
元のInDesignファイルのリンクフォルダ内のPSDファイルは切り抜かれていない背景未透過の画像

・透過になるファイルと同じ設定で再度透過にならない画像が含まれたファイルからEPUBを書きだしたが、やはり白フチは出てしまう。Photoshopで確認しても白フチは表示された

→InDesign上で切り抜いているため余白が表示されてしまう模様。切り抜いたPSDファイルを使ったInDesignファイルでの検証が必要

●先頭に単独の扉ページが1ページ必要。ない場合見開きがズレてしまう(画像中央下の赤丸で囲んだ部分)
先頭に単独の扉ページが1ページ必要。ない場合見開きがズレてしまう

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今後、追加の調査を行った場合、更新します。


公開日:
最終更新日:2016/12/18

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